負動産という言葉は近年広まりつつあり、持っているだけで負担になる不動産を指す言葉として使われる場面が増えています。
かつては土地や建物は資産として価値があると考えられていましたが、人口減少や地方の過疎化の影響により、売却や活用が難しい不動産も少なくありません。特に相続によって取得した不動産は、自分の意思とは関係なく所有することになり、管理や税金の負担に悩む人も増えています。
負動産を放置すると、価値の低下だけでなく近隣トラブルや法的リスクにつながる可能性もあるため、早めに適切な対処を検討しましょう。当記事では、負動産の特徴やリスク、具体的な対処方法について分かりやすく解説します。
1.負動産とは?
負動産とは、需要が少ない・立地が悪いなどの理由で売却や活用が難しく、持っているだけで負担になってしまう不動産のことです。
負動産は、資産として利益を生むどころか、維持費や管理の手間がかかり続けてしまいます。また、放置すると老朽化や近隣トラブルにつながる可能性もあるので、一般的な不動産とは異なり、所有するだけで経済的・精神的な負担が積み重なりやすい点が問題となっています。
1-1.負動産になりやすい不動産物件の特徴
負動産になりやすい不動産には、いくつか共通した特徴があります。主なポイントは次の4つです。
- アクセスが悪い郊外の物件
- 分譲マンションなど権利関係が複雑な物件
- 活用が難しい山林や原野
- バブル期に建てられた別荘やリゾートマンション
これらが負動産になりやすい理由は、需要が限られ、買い手や借り手が見つかりにくいためです。生活利便性が低く、購入希望者が集まりにくかったり、用途が限定され収益化が難しかったりする不動産、あるいはそもそも自由な売買が難しい物件は負動産になりやすいと言えます。
2.負動産を相続した場合に発生するデメリット
負動産を相続すると、さまざまな負担やリスクが生じます。
相続した不動産は、価値の有無に関わらず登記や管理の義務が発生し、簡単に手放せない点が大きな特徴です。さらに、費用面だけでなく将来的なトラブルにつながる可能性もあります。
ここでは、負動産を相続した場合に特に注意したい代表的なデメリットを解説します。
2-1.税金や管理コストがかかり続ける
負動産を相続すると、使っていなくても税金や管理コストの負担が続きます。
たとえば、空き家であっても毎年固定資産税が課税されるほか、草刈りや清掃、建物の修繕などの管理費も必要になります。遠方の不動産であれば、現地確認の交通費や管理業者への委託費がかかるケースもあります。また、管理が不十分な場合は「特定空家等」に指定され、税負担が増える可能性もあります。
収益を生まないまま、これらの支出と負担だけが積み重なりやすい点が負動産の大きな負担です。
2-2.売れずに塩漬けになる期間が長いほど価値が低下する
負動産は売却が難しく、長期間放置されるほど価値が下がりやすくなります。
負動産になりやすい立地条件が悪い土地や老朽化した空き家は、市場で敬遠されやすく、価格を下げても売れないケースもあります。その間にも建物の劣化や周辺環境の変化が進み、不動産としての評価がさらに下がってしまいます。
結果として、時間の経過とともに売却のハードルが高くなり、処分がより困難になる悪循環に陥りやすい点が問題です。
2-3.管理不足で事故が起きた場合賠償責任を問われるケースもある
負動産を適切に管理しない場合、事故やトラブルの責任を問われる可能性があります。
不動産の所有者には安全に管理する義務があり、放置すると周囲に被害を及ぼすおそれがあります。老朽化した建物が倒壊して隣家や通行人に被害を与えた場合や、雑草やゴミの放置によって近隣トラブルが発生した場合、損害賠償を請求されるケースがあるので注意が必要です。
また、管理していない物件は不法侵入や不法投棄の温床になるリスクも高まります。管理不足は金銭的な負担だけでなく、法的リスクにもつながるため注意が必要です。
3.負動産の処分・活用方法4つ
負動産は放置すると負担が増えるため、早めに処分や活用を検討することが大切です。処分や活用の方法によって費用や手間、条件が大きく異なるため、自分の不動産に合った手段を選ぶことが大切です。ここでは、代表的な4つの処分・活用方法を解説します。
3-1.自治体に寄付する
負動産は、条件が合えば自治体に寄付できる場合があります。自治体に受け入れてもらえれば、所有権を手放すことができ、管理や税金の負担から解放されます。たとえば、公共施設や道路として活用できる見込みがある土地は、寄付が認められる可能性があります。
ただし、すべての不動産が対象になるわけではなく、活用が難しい土地や管理コストが高い物件は断られるケースが一般的です。また、個人へ譲渡する場合は贈与税が発生する可能性もあるので、まずは自治体に相談し、受け入れ条件を確認しましょう。
3-2.相続土地国庫帰属制度を使って土地所有権を国に渡す
一定の条件を満たせば、土地を国に引き取ってもらう制度を利用できます。
相続土地国庫帰属制度は、2023年に開始された制度で、相続や遺贈で取得した土地を対象としています。たとえば、建物がない土地で、土壌汚染や境界トラブルがない場合などは申請できる可能性があります。
ただし、審査手数料や負担金が必要で、すべての土地が対象になるわけではありません。条件を満たせば確実に手放せる手段ですが、事前に要件をしっかり確認することが大切です。
3-3.空き家バンクに登録する
売却が難しい不動産は、空き家バンクへの登録も有効な方法です。
空き家バンクは、自治体が運営するマッチング制度で、空き家を売りたい人と買いたい人をつなぐ仕組みです。一般の不動産市場では売れにくい物件でも、地方移住を希望する人などに需要が見つかる可能性があります。
ただし、契約手続きや交渉は原則として当事者同士で行うため、トラブル防止のために不動産会社へのサポート依頼が必要なケースもあります。通常の売却が難しい場合の選択肢として検討しやすい方法です。
3-4.負動産の買取業者に売却する
負動産は一般的な売却が難しい場合でも、専門の買取業者であれば対応できる可能性があります。
通常の不動産市場では買い手が見つかりにくい物件でも、負動産や事故物件を扱う業者は独自の活用方法を持っているため、引き取りや再活用が検討されることがあります。負動産を長期間抱え続ける負担を減らす手段として、有効な選択肢の1つと言えます。
4.負動産は相続放棄できる?
負動産は相続放棄によって引き継がずに済む場合がありますが、相続放棄にはいくつか条件があります。
相続放棄とは、家庭裁判所に申請することで、最初から相続人ではなかった扱いになる制度です。そのため、不動産だけでなく預貯金や現金などのプラスの財産も含め、すべての相続権を放棄することになります。手続きは必要書類を用意し、相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述し、照会書への回答後に受理通知を受け取る流れで進みます。
一方で注意点として、期限を過ぎると原則として放棄できなくなる点や、不動産の管理や処分に関与すると放棄が認められない可能性があります。また、自分が放棄した場合でも、他の相続人に負担が移るため、他の相続人と事前に話し合っておきましょう。
負動産を確実に避けたい場合は、早めの判断と正確な手続きが求められます。
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負動産は、需要の低さや立地条件などにより売却や活用が難しく、所有しているだけで税金や管理コスト、法的リスクが発生する不動産です。特に相続によって取得した場合は、手放しにくい性質から長期間の負担につながりやすく、放置することで価値の低下や近隣トラブルを招く可能性もあります。
対処方法としては、自治体への寄付や相続土地国庫帰属制度の活用、空き家バンクへの登録、買取業者への売却などがあるので、それぞれ条件や特徴を理解した上で選びましょう。
負動産の扱いに悩んでいる場合は、専門的な知識を持つ業者へ相談することで、最適な解決策が見つかる可能性があります。負動産の処分や活用でお困りの方は、実績豊富なアイコムまでお気軽にお問い合わせください。


